現在のサイディングボードを使用した壁がよく見られるようになる以前は、日本ではモルタルの壁が一般的である時代がありました。
モルタルというのは、セメントに砂を混ぜて水を練ったものをいい、モルタルで壁を作る場合には、ラスと呼ばれる網の針金の上から左官がコテでモルタルを塗りつけていきます。
数十年前の古い建物でよく見られるモルタルの外壁は、モルタルの上に塗装をして仕上げていますので、定期的なメンテナンスが必要になります。
モルタルの外壁の種類には、スタッコ壁と呼ばれるスタッコ材を吹き付けて高級感と重厚感を出したものや、ローラー仕上げ、左官仕上げのほか、仕上がりが砂壁状の外壁となるリシンという種類があるのです。
また、仕上がりがランダムな凸凹であるとともに、陶磁器調に見られるような、下塗り、吹き付け、模様葺きの工程がある吹き付けタイルという工法もあります。
このように、ひと口にモルタルの外壁といってもさまざまな工法や仕上がりがありますので、住宅を長持ちさせるためにも、専門家に相談しながらメンテナンスをおこなうと良いでしょう。