釉薬瓦の歴史は、古く奈良時代から平城京にある東院玉殿という建物にも使われています。
日本で釉薬瓦を一番多く生産している地域は愛知県にある西三河地方で、そこで生産される釉薬瓦は三州瓦といいます。
その次に多く生産している地域は島根県にある石見地方で、そこで生産される釉薬瓦は石州瓦といいます。
釉薬瓦の素材は粘土で、最後に瓦の表面に釉薬を塗り化学反応を起こすことで、色を出す瓦です。
銀色しかない、いぶし瓦と比較すると釉薬瓦は釉薬を塗ることによって様々な色を出すことができるのが特徴です。
先に述べた平城京にある東院玉殿では美しい瑠璃色で仕上げられています。
近頃は多様性を増している住宅事情に合わせて鮮やかなブルーの釉薬瓦やコーヒーブラウンの落ち着きのある色の釉薬瓦も登場しています。
釉薬瓦は耐寒性が強いため、寒い地域では使用することをおすすめします。
耐寒性だけでなく、寒い地域では瓦が凍結することが心配ですが、釉薬瓦は凍結にも強い性質を兼ね備えていて、寒さの厳しい東北地方や、雪の多い北陸地方でもたくさんの家屋で使われています。