瓦の形-S形・スパニッシュ瓦-

屋根建材として利用されている瓦にはスタイル・用途・焼成法・色・等級・産地など様々な分類法があり、分類すると1000を越えるほどの種類があります。

 

その中でも「S形」と呼ばれる瓦は、スパニッシュ瓦の下丸瓦と上丸瓦を一体化させたものです。

 

スパニッシュ瓦の流行に刺激されて、大正時代末期に愛知県三州で開発されたもので、S形のSは、spanishに由来すると言われています。

 

西洋建築とともに移入されたデザインなので、西洋住宅によく似合う瓦です。

 

もともとスパニッシュ瓦は、山と谷が別々の瓦で構成されていました。

 

そのスパニッシュを改良したのがS形で、山と谷が一体となった一枚の瓦で形成されているため、波が斜めになっていることが最大の特徴でしょう。

 

その結果、施工性・コストパフォーマンスなどが著しく向上しました。

 

その他の特徴としてはS形の生み出す凹凸感はJ形とは異なり、地中海沿岸の建築をイメージさせるような洋風感覚にあふれており、個性豊かに様々な配色を出すことができます。

 

明るい印象を与える屋根で、南欧風とか店舗などによく使われます。

 

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